So-net無料ブログ作成
検索選択

081:硝子(幸くみこ)

食堂の硝子に向かって味噌汁を飲み干す男の毛糸のチョッキ


080:響(幸くみこ)

警官の自転車きしみ響かせて街灯のなか遠ざかり行く


079:芽(幸くみこ)

水栽培 私のイモは芽じゃなくてカビをはやして教室の隅


078:予想(幸くみこ)

友引はゾロ目を買えと予想屋は最終レースをじゃまくさそうに


077:針(幸くみこ)

刺繍針ひたすら×(ばつ)に刺しながら 「結婚祝?」ふと手が止まる


076:あくび(幸くみこ)

病院の帰りはぐんにゃり ダリの絵はあくびしながら汗かく時計


075:打(幸くみこ)

西口で声かけそびれた父さんの鳥打帽をつつむ夕焼け


074:水晶(幸くみこ)

水晶が鎮座する部屋 幾重にも見たことのない君が重なる


073:トランプ(幸くみこ)

端っこの折れたトランプ回されて もいっこ折っとく正しいモラル


072:箱(幸くみこ)

ゴミ箱は案外ゴミにならなくて 汚れたまんま四度目の部屋


071:老人(幸くみこ)

ここんとこ競馬に来ない老人を死んだと語る 男らの普通


070:章(幸くみこ)

序章しか訳していないヘミングウェイ ノートの空白 最後の宿題


069:カフェ(幸くみこ)

カフェからは板チョコみたいなビルの窓 あそこのひと粒ビターと決めて


068:報(幸くみこ)

カチカチとブロック消すたび傍らに報いのような焦りが積もる


067:事務(幸くみこ)

事務員のバイトもクビでヤマザキのロールケーキを丸齧る夜


066:ふたり(幸くみこ)

罠にでもはまったみたいにふたりきり 離れて座る追試の追試


065:鳴(幸くみこ)

ダンボールかぶって五人で走り出す 雷鳴あおく君を照らした


064:百合(幸くみこ)

白百合の雌しべにとろりと溢れてる蜜のホコリを指で拭った


063:オペラ(幸くみこ)

オペラ座の天井桟敷に正座する野武士のむせび響く真夜中


062:竹(幸くみこ)

「竹の花咲いた」とメールが届いたら牛ヶ首島 祠のもとへ


メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。